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嫌いだったキッチンガスコンロ、「さよなら」が近づいてみて分かった事

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今月、キッチンのガスコンロを新しくすることにした。

ガスコンロは私にとって、相性の悪いものだった。

10年以上我慢して使ってきたけれど、とうとう「さよなら」する時がきた。

嫌いだったガスコンロ

新築マンション購入時、ガスコンロが標準装備されていた。

ところが、これが自分にとって使い難く、何度も夫に替えて欲しいと懇願した。

真新しいガスコンロは、良いグレードのものだったし、料理をしない夫には私の主張は理解してもらえなかった。

今思えば夫の気持ちがよく理解できる。

新しいコンロが付いているのに、お金をかけてまで買い替えるなんて、理解出来なかったことだっただろう。

馬鹿馬鹿しい話ではあるが、このガスコンロの事で何度夫婦口論したことか、、、、。

この度、苦節十数年の時を経て、晴れて新品になる。

嫌いだったけれど大切に使ってきた。だから劣化を夫が理解して買い替えてくれることになったのだ。

この10数年で一番うれしいことかもしれないと思えるほど自分にとっては素晴らしい出来事だった。

さよならの前に分かった「嫌いだった本当の理由」

しかし、新しくするとなると、今度は自分に責任が出てきた。

どれでも好きなガスコンロを入れ替えていい、と夫は言う。

そう言われてしまうと、今度は逆に困ってしまった。

私が本当に欲しかったガスコンロはどんな物だろう?

古いガスコンロは、本当に悪者だったのだろうか?

ショールームで新しいガスコンロを探しながら、いろいろ考えさせられた。

ガスコンロを買い換え話が出てから、私は何故かガスコンロを丁寧に掃除したくてたまらない。

腰が痛かった時も、ここだけは綺麗にしたいと毎日頑張った。

もう捨てるのに、何故そんなに磨くの?と夫は不思議顔をする。

古いガスコンロとは、あと残りわずかなお付き合い。

でも、今まで長いお付き合い。

私が人生で一番長く付き合ったガスコンロだ。

毎朝一つ一つパーツを全部洗って掃除するのは、パーツが多く大きい重いから意外に大変な作業。

そうして掃除を続けてみたら、不思議な感情が湧いてきた。

もう少し使っていたい、

買い替えなくてもいいんじゃない?

一言では言い表せないけれど、

情のようなもの?絆のようなもの?

何かそんな感覚を覚えている。

工事の日は、もう決まっている。

だんだんそんな気持ちになってきて、

とことん壊れるまで使おうか?

そう思ったけれど、点検してもらったら一部に点火不良が見つかった。

さよならの時は、必ずやってくる。

今ガスコンロを磨いていると、いろんな入居当時の不満をガスコンロのせいにしていた未熟な若い自分が見え隠れする。

新しいガスコンロがやってくるまで、そんな昔の自分と向き合おう。

今まで、ありがとう。

さよならは、もうすぐだ。

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