先日、息子の学校のボランティア部に本を寄付してきた。
秋の文化祭で行われる「古本で寄付金を集める活動」に少し参加させて頂いている。
毎年すごく人気があり会場は大賑わいになる。
1年に1度寄付をして、私は自分の本専用のスペースをすっきりさせる。
今年は、14冊の本を寄付できた。
宅急便で学校に送ることもできるけれど、あえて持参。
14冊は、文庫本だけではないから、想像以上に重くて、それぞれを読んだ時の気持ちを少し思い出したりできた。
まだ数冊読んでいる途中になったままの本があるから、本が全てなくなった訳ではないけれど、空いた空間のスッキリ感と本と潔く「さよならできた」という爽快感を味わえた。
去年の秋の片付けで廊下収納に新しく作ることができた私専用の本置き場、とても気に入っている。
わずか30センチ程の幅だけれど、奥行きがあるから、見た目より本は沢山入る。
スローな読書ペースだから、1年間で買った本は全てこの場所に収まってくれる。
たとえ過去作品でも興味がでたら選んで買ってみる。
何年も前は、図書館で借りて本を読んでいた。
加齢でだんだん目が疲れやすくなり読書スペースが落ちてからは、2週間という期間でしか借りることが出来ない地域図書館で本を借りることを諦め、本は買ってマイペースで読んでいる。
書店やネットで本を買うようになって、本への気持ちが少し変わった。
書いた著者の事を、以前より考えるように思うようになった。
著作権とか、執筆活動とか、、、著者の気持ちを想像してみたくなる事が増えたように思う。
それまでも著者に思いをはせる事はあったけれど、少し違うのだ。
今回寄付した本の中に、【湊かなえさん】の著書がいくつもある。
湊かなえさんのミステリーは、ドラマや映画になっている作品が多いが、私は本を読む方が好きだ。
登場人物の中に、一人は出てくる「母親」の描写に引き込まれる事がある。
自分と重なる年齢だったり環境だったり、殺人事件が起こるか起こらないかの違いだけで、普通の主婦の私でも「そうそう!」と頷くようなリアルな心理表現が多い。
特に「夜行観覧車」に出てくるパートで働く主婦の気持ちを描写する部分は、あまりにリアルでドキッとした。
湊かなえさんは、随分前からベストセラー作家なのでパート主婦として働いたことはないと思う。
でも、高校生を育てる母親の何気ない日常の中にある何とも表現しずらいブルーな気持ちをあんなにもリアルに書けるのは、すごいな、、と思った。
それから、すっかり「湊かなえ」ファンになっている。
私はミステリー作品が大好きだ。
読むと、別世界に没頭できるから好きだったのだと思う。
最近はリアルな日常の中に潜んでいる事柄をミステリーにした本に興味が湧く。
どこにでもありそうな日常も、見方を変えると別世界に変わる。
日々の暮らしも、生活も、季節によって急に切り替わることがある。
秋は、そんなタイミングである気がする。
私の秋の片付けは、本・書類にもゆっくり手を付け始めた。
まずは、悩まなくていい「本の整理」
「秋に寄付する」という区切りが出来てから、本を買って読むことが楽しくなった。
ミステリー本は、一度読んだら私の場合は、もう読まない。
本に対して、思い入れが少ない自分の癖が分かった事も大きい。
「我が家は狭いから本を買ったら置き場がない」と、ずっと思っていたからこそ図書館ばかり利用していた。
本を手放すことに執着心がない事が分かると、本を買う事が「片付かない理由」にはならないことも知った。
私の本の整理は、年に一度、今この時期。
息子が学校を卒業してしまっても、持参していこうと思っている。
今回も担当の先生は、14冊でもとても喜んでくださった。
綺麗に読んで、潔く次の読者へ。
気持ちも少し伝わって頂けたらうれしい。
たった幅30センチのスペースだけれど、空いた空間はとても気持ちいい。
スローでも、早く読めなくても、私の読書はそれでいい。
本の整理は、毎年9月初め。
一区切り終わり、次の片付けへ。
今日は、書類と4時間格闘した。
その話は、次に続く、、。