片付けした後の「後片付け」の続き。
あの週、新宿へ行く用事があり、家電量販店にある買取窓口に「古いモバイルルーター」を持参した。
いざ査定申込する段階になって、身分証明書(運転免許証)を玄関に置き忘れできた事に気づく。
なんという、大失態!
幸い買取可能な商品である事が分かったため、先週金曜に新宿への用事ついでに再び買取窓口へ。
買取窓口は査定が混んでいて1時間待ったが、
古いモバイルルーターは、
3100円で買取してもらえた。
購入時の3分の1以下だった。
でも先日の食器買取を思えば、買取単価が高い事に逆に驚いた。
100円でも良かった。
いや多分、1円でも良かった。
まだ世の中に需要がある物なら、その場所に移動してあげて、しっかりお別れする事に意味があったから。
このモバイルルーターは、スマホを持っていなかった時に息子と二人で使っていた。
息子といろいろ工夫しあって家の外でもipodなどでネットを使えるようになり、楽しかった。
反抗期真っ盛りだった当時の息子との数少ない共有の「良い思い出」
昨年、息子も約束事を達成できてスマホになり、お蔵入りになったモバイルルーター。
書類キャビネットの奥に収納して、私も存在を忘れそうになっていた。
大きな片付けをすれば、必ず処分するものが出てくる。
自分がその直前まで所有していた物が、急に不用品になる。
それらはゴミとして適切な方法で処分すれば家からは無くなる。
でも中には、「さよなら」を決めた物でも単純なゴミとして捨てたくない物もある。
私はフリマやネットオークションは苦手なので、「買取」という方法を利用している。
そして、お店に出向かなくていい「宅配買取」も使っているが、その物に対して思い出があるものや思い入れがあった物は、お店に持参して直接さよならしたいという気持ちが強い。
ただし、そういう大切な物ほど、最初は高く買い取ってもらえるような気がしていた。
現実は、甘くない。
不慣れだった頃は、買取値段の安さに驚き、商品を返却してもらった事もある。
しかし、その安い値段がプロが引き取ってくれる「現在価値」なのだ。
たとえ安くてもプロが値段をつけて引き取ってくれるものは、まだ「需要がある」ものという証拠。
今回のモバイルルーターも、きっとプロが次の所有者の元に道を作ってくれるだろう。
買取代金を受け取ってみると、先日の食器売却の時ほど感慨深くはならなかったが、すごく晴れ晴れした気分。
反抗期が終わった息子は「スマホ命」になったけれど、話もしてくれるようになって、母子の会話がすごく多くなった。
私と息子の関係も変わった。
親子であるけど「一人の人間」としてのお付き合いになった。
モバイルルーターは、一番複雑で混沌とした時期を取り持ってくれていた。
単純に電波を繋いでくれていただけではなかった。
「本当にありがとう」
買取窓口ですっきりお別れできた。
物とお別れする方法は、さまざま。
たとえ手間や時間がかかっても、自分で納得できる方法で「さよなら」出来る事が一番。
さあ、今週はいよいよ粗大ごみの回収日。
リビングに高く積まれた衣類ケース4段ともお別れだ。
もう一度、綺麗に水拭きしておこう。
これで、やっと10月の片付けが終わる。