キッチンシンク上に「吊り戸棚」が設置されているお宅は多いと思う。
我が家もマンション購入時に標準装備されていた。
あの大地震があったことがきっかけで、吊り戸棚に入れる物も少しずつ減らしてきた。
耐震ロックは付いているけれど
我が家の吊り戸棚には耐震ロックが付いている。
あの大震災の日に、耐震ロックが効いたのかは不明だが、棚などは全く開いたりしなかった。
しかし、あれ以来、吊り戸棚に重い物を収納しておくのが怖くなった。
入れる物は、明らかに減った。
重かったり、割れたり、尖っていたり、落ちたらどれも凶器になりうる。
それでも、月日の経過と共にあの時の恐怖が遠のき、何も落ちてこなった事に不確かな安心感さえ持ち始めている。
これこそ、危険だ。
被害が少なかった地域に住んでいると、防災は備蓄や家具固定などに意識が集中しがちだが、中に入れてあるものにも今一度気持ちを向けたい。
そこに収納があるから、無意識に物を入れていませんか?
今朝、キッチン吊り戸棚扉4枚を全開してみた。
残念なのか有難いのか、本当にそこになければ困る、という物が一つもなかった。
「棚があるから、そこに入れている」
厳しい眼で見直してみると、まさにそんな感じに見えた。
私は、実は吊り戸棚が苦手。
扉を開けたのを忘れて、よく扉に頭をぶつけてしまうから。
不注意の私にはもともと向かない物なのかもしれない。
キッチンリフォームをする機会が来たら、シンク上の吊り戸棚は無い作りにしたい。
まだ大きなリフォーム予定は全く無いけれど、それまでは棚の中身を空っぽにする努力をしておこう。
そこに収納があるから物を入れてしまう。
そこに収納が「無い」と思えばどうだろう?
そこに、その位置に棚や収納が無いと思えば、どうだろう?
「ある」けれど「無い」吊り戸棚
空っぽになった時に、また気持ちを書いてみたいと思う。
期限のない片付けは自分に甘さが出てしまう。
今日という忘れてはいけない日を一年の基準として、収納を見直すことも大切だ。
空っぽの吊り戸棚。
いい響きだ。
片付けには意味がある。