4月になった。
桜も咲いたのに、気持ちが全然浮いてこない。
気分を切替えるためにもこの時期に片付けをしたくなる。
でも、スッキリしたいという心とは裏腹に、体が動かない。
重い気持ちと体が気になりつつ、キッチンの収納棚を見直してみた。
片付けるために使っている「収納用品」が片付けの邪魔をしていることがある
キッチンにある2つの棚に、缶詰・調味料ストック・乾物などを入れていた。
このところ忙しくて食事作りの段取りが悪い。
あれがあったはず、これがあったはず、と買い置き食材でやりくりする日も多かった。
その時、とてもイライラを感じた。
2つの棚には4つのボックスを入れて、引出してすぐ使えるよう工夫している場所。
今までも試行錯誤して自分なりに収納に時間をかけた所だ。
4つのボックスは区分して入れてある。
もう何年も同じ位置に置いてあるし、買い置きしている物も代わり映えのしない物ばかり。
それなのに、料理するときにボックスを引出しては、また戻す。
戻す時に、思いっきりため息をついている自分に気がついた。
中に入っている物を把握しているのに、引出しては戻す、その作業を無意識にしてしまう。それが無駄のように思えてきた。
「このボックス、必要だろうか?」
4つのボックスは、わざわざこの棚にピッタリサイズのものを探して買った物だった。
奥行きを無駄にせず、収納する物も考えて揃えた。
収納場所を有効に使えるものだから「収納用品」としての選択は間違っていない。
なぜだろう?という思いが強くて、改善方法が思いつかず、とりあえずボックスを全部出して洗って掃除してみた。
4つのボックスに入っている物を一端キッチンカウンターに全部出し、プラスチック製のボックス4つを洗って乾かす。
作業としては簡単なこと。
ボックスを乾かしている間に、食品をもう一度見直そうと思って、全部並べてみると、、、
あれ??
これだけしか入っていなかったの??
それが正直な感想だった。
4つのボックスを同時に引出すことは普段無い。
それぞれの区分にあった食品が種類が違うから、料理の際に一緒に探すことはあまりなかった。
普段からそんなに多くの食品を買い置きしている訳ではない。本来そんなにたっぷり入っている場所ではないのだ。
全部並べて見てみると、ボックスなんて必要ないのでは?と思えてきた。
それならやってみるのが1番早い。
ボックスはきれいに洗って乾いたけれど、それは使わず、食品だけを2つの棚に戻してみた。
和洋中、それなりの買い置きしかないけれど、一応もとの4つの区分は崩さずに、それぞれ端から置いてみた。
棚の中間に区切りはないけれど、区切りは必要ないとすぐ分かった。
ボックスを外したら、食品を入れても半分ぐらい空間ができてしまった。余裕を持って置いても全然平気だった。
なんだ、、、また私は無駄なことをしていたのだ。
空間を有効に使いたくて買い揃えた収納ボックス。
実はそれがあるために空間に余裕がなくなり、イライラや片付け疲れを感じさせられていたことになる。
1週間、ボックスなしでそのまま暮らしてみた。
全く困らなくいつも通り料理できた。
それどころか、買い置き食材を使うメニューを考えて生鮮食品も買うようになり、2つの棚はさらにスッキリしてきた。
気持ちがいい!
もう、元には戻れない、戻す気も起きない。
2週間目に4つのボックスを処分した。
片付け疲れ、もしかして自分が作っていませんか?
ここにボックスが4つ入っていたなんて、今となっては逆に「なぜだろう?」という気持ち。
2つの棚は、他人が見たら、無駄な空間が多い食品棚に思えるかもしれない。
でも、私にはこの状態が心地よい。
あんなに感じていたボックスを引出す時の何とも言えない「イラッとする気持ち」はもう無い。
忙しい時ほど感じたあの気持ち。
「片付け疲れ」は、自分が作ってしまっていた。
そういうことがあるのだ。
終わってみれば、単純なこと。
単純なことこそ、気づきにくい。
またしても、反省と発見と、そんな4月の始まり。
私の新学期は、やっと始まったようだ。