私は、ストックを持つ事が苦手だ。
ストックはあれば便利と分かっていても、できない。
逆に、夫は「ストック好き」
趣味なのか?と思うくらい、ストックに対して燃えている。
今日は、そんな真逆な我が家の「ストック攻防戦」の話である。
「ストック好き」の夫と「ストック嫌い」の妻、折り合いの付け方
私が「ストック苦手」の理由は、いくつかある。
・買った事を忘れてしまう
・ストックにすべき物の底値を覚えられない
・棚いっぱいのストックを見ると息苦しく感じる
など、理由はまだまだ沢山ある。
でも、一番大きな理由を挙げるなら、
「実母の影響」、、だと思う。
私の実母は、片付けが苦手な人だ。
ストックが必要になった時にどこに仕舞ったか忘れていて、必ず「ストック探す大騒動」を始めた。
子供の時からそれに付き合わされていて、
「なぜ、この人は忘れてしまう物を買うのだろう?」
と不思議でしかたなかった。
ストックが必要度MAXの時には、いくら探しても出てきた事はなく、夕方近所の雑貨屋まで何度買物に走らされたか分からない。
その騒動が終わり、数日経過すると必ずそのストックが発見される、という暮らしだった。
実母は現在も健在だが、たまに帰省しても同じことをしている。
そんな母に育てられ、ある意味反面教師となった事が、「ストック嫌い」の根本かもしれない。
一方、夫の「ストック好き」は半端ではない。
日用品から趣味の物まで「ストックのストックのストックをストックしていない」と不安だという。
一番酷かった「ストック買い」の思い出は、宅配で大きな段ボールいっぱいの「歯磨き粉」が届いた時だ。
まさに、開けてビックリというか絶句。
目が点になった。
本当に目は点になるのだ。
狭いマンションの限られた収納には、夫の買い集める「ストック専用エリア」がある。
長い時間をかけて、「ストック好き」の夫と「ストック嫌い」の妻が、折り合いをつけた結果、夫に場所を提供することにしたのだ。
ただし、その場所から溢れるようには買わない!という条件付き。
夫は、「ストック専用エリア」がとても気に入っているらしい。
隙間が空いたら、すかさず次のストックを買ってきては詰め込んでいる。
言いたい事はいっぱいある。
でも、溢れ出すまでは、言わないようにしている。
相手もルールを守っているなら、私も見守るしかない。
そんな真逆の夫婦にも、ある出来事がきっかけで、雪解けの時がやってきた。
それは、、
「東日本大震災」
私の住む地域は、大きな被害はなかったが、その後の物流事情は皆さまもご存じの通りだと思う。
スーパーやドラッグストアは、開店前から長蛇の列が並ぶ異様な光景は、今も忘れられない。
そして、幸い私は、その列に並ぶことはなかった。
なぜなら、それは、夫の「ストック」のおかげだった。
乾電池、水、日用品、なんでも夫のストックエリアに用意されていた。
その量は、不安を取り去ってくれるには十分な量だった。
初めて、夫のストックに感謝した瞬間だった。
その時、夫のストックする理由を初めてじっくり聞くことができた。
何かあった時に、この人(私)は息子を守れるのだろうか?
そういう思いが増幅して、ストックする意識がいつも強いそうだ。
話を聞いて、ちょっと反省した。
私のストック嫌いが、夫のストック好きに拍車をかけていたなんて。
ちょっと反省したけれど、私は負けない。
なぜなら、その時の乾電池や電球は、今も使われずにストックエリアに残っているから。
ただし、今の所「ストックエリア」の縮小は考えていない。
そこの詰まっている物は、口数の少ない夫の「家族愛の表現」と思うことにした。
自分とは反対側にいる人が、けして敵とは限らない
一見真逆に見えたり、対立していまう事は、日常生活でも沢山ある。
双方の意見は、水と油のように、けして融合することはないように思える。
しかし、何かのきっかけで、その対立の原因や、意味する違いが分かる事もある。
自分とは反対側にいる人が、けして敵とは限らない。
ある意味、自分と真逆に思える相手が、自分と似ている事もある。
まるで、自分の裏返し。
反対にはいるけれど、本当は自分かもしれない。
何か対立する意見と直面した時や、自分と逆方向に向かっている人が目について仕方ない時、私は我が家の「ストックエリア」を思い出す。
裏返してみたら、どうだろう?
そう思えたら、少し見方も変えられるきがした。