11月なのに東京に雪が積もった。
積雪は観測史上初とのこと、朝から通勤通学は大変だったと思う。
私は自宅で仕事の日だったため寒さの難は逃れたが、しんしんと積もる冷たい雪を見ながら仕事をしていたら、ふと友人のことを思い出した。
友人との関係を絶ってから、今までの人間関係も見直す勇気が湧いた
「ふと思い出す」程度に、私の中でその友人の存在は消えかかっている。
相手の事を全て忘れたというのではない。
モヤモヤを感じてイライラしていた「自分」がどんどん消えていると言う意味だ。
ひっそりと寒々しい雪の日に、本当に久しぶりにその友人のことを思い出した。
そして、「過去の人」となった事を実感した。
その人の事を思い出したのは、少し理由がある。
少し前に、別の友人と距離を置いてみよう、と思う出来事があったからだ。
そして、ブログ記事を書こうとして過去記事タイトルで友人の事を思い出したという流れ。
過去記事を少し辿ったら、今回距離をおくことになった友人の話も書いていたことに気づいた。
今年の春にこの記事を書いてあった。
この時は、時間を有効に使いたくて、人に会う機会を減らそうと思っている事を書いている。
久しぶりに自分で書いたこの記事を読んだら、自分の判断と感じている気持ちは間違っていないと思えた。
なんだ、もう随分前に自分で気がついていたんじゃないか!
引きずってしまった期間が勿体ないようで、大切だったようで、また何とも言えないが。
近所に住んでいるわけでも、趣味や学校の事で会うこともない友人はもう10年以上の付き合いだ。
そして、この数年は相手から誘われるばかりで、私から誘うことは一切なくなっている。
思い返してみると、年に何度か季節が変わる数ヶ月ごとにメールが届く。
「会いませんか?」
という文章に、既に私は反応しなくなっていた。
いつからだろう。
かなり前からだったはず。
そして、年賀状リストから外している人だったという点も、私の気持ちはとうに決まっていたのだと痛感させられた。
相手が何か悪いことをしてきたとか、嫌な態度をしてきたとか、そういう類の理由とは違う。
その人と話していると自分が忘れかけている大切な事を「本当は大切なのだ」と思わせてくれる人だった。
自分にはない感性と心の豊かさを持った人だった。
だから友人になった。
そう、「その時」は、、、。
この数年は、どうも違う。
いつも会いましょうと言われて会っても、相手から良い空気は得られない。
それより、会って話すとその後ぐったり疲れてしまう。
考え方も環境も、この10年でお互い変わり、感覚もどんどん違ってきた。
もう、無理して会うのはやめよう。
少し前に会ったときに、心底そう思った。
そして、先日新たにまた誘いのメールが届いた。
申し訳ないけれど、返事は何も返していない。
もう無理だ、断るエネルギーが湧いてこない。
大人には大人の付き合い方がある。
返事は返すべきだと思っても、そのメールを読みかえす気さえもう起きない。
終わりにしよう、、とその時感じた。
10年ぐらい前に知り合った友人と、今も長く親しくしていくのは、アラフィフの今は難しくなっているのだろうか?
世の中の同世代の人は、何もなくそんな友人関係を保っているのだろうか?
そもそも、私が築いた人間関係に、本当の関係はあったのだろうか?
冷たい雪がしんしん振る中、締め切りが続く仕事をこなしつつ、ふとそんな事を考えた。
もう一人、私は友人を減らすことになりそうだ。
自分の気持ちに嘘はつけない。
自分についた嘘は、後で倍になって戻ってくる。
だから、もう自分に嘘はつけない、つきたくない。
予想外の雪の日に、私の心もまた一つ変化した。