真夏の片付け最終日。
最後も物を捨てたり、処分したりする作業はない。
最終日は、「他人目線」で現在の住まいを見て欲しい。
特に、外から帰ってくる時に実行するのが一番いい。
毎日暮らしていると、自宅を客観的に見ることはできない。
夏旅や帰省で、この夏に数日家を空けた人なら「他人目線」の意味を分かってもらえると思う。
たった数日留守にしただけで、旅から戻った時、部屋に入って感じる感覚。
しかし、その感覚はわずか数時間であっという間になくなって、また何も感じなくなる。
今日は旅には出ないけれど、帰宅するときに厳しい目線で外見から見てみたい。
外から見えるベランダや窓に、ぎっちり物が並んでないだろうか?
玄関からアプローチに、あちこち荷物が置いてないだろうか?
植木や植物は、生き生きしているだろうか?
一戸建てではなくマンションでも、エントランスから自宅玄関までをじっくり観察できる。
マンションこそ、同じ壁と同じ扉や窓なのに、住んでいる人の息がかかるとまるで別物のように変化する。
良い変化ならいいが、自宅玄関周りだけ荷物が溢れている、、なんてことあるのでは?
帰宅して、扉を開ける瞬間がとても大切だ。
いつも見慣れた玄関だけれど、いつもとは違う視線を向けてみる。
外に物を置いていなくても、玄関に荷物を沢山おいているご家庭は多い。
その多くが、置かれたまま見慣れた景色になってしまい、埃をかぶっていることさえ目に入らなくなる。
玄関はどうだろう?
次は、リビングへ移動して、同じように目線を変えてみる。
天井やカーテンレールや飾り物、いつ掃除したか覚えているだろうか?
埃がかぶってガラスが曇った家族写真が置かれたまま、風景の一部になっていないだろうか?
たぶん、他人目線で見られるのは、リビングに入った時までだろう。
他人目線は長くは持たない。
すぐ、いつもの自分目線に戻ってしまう。
だから、帰宅時の5分を「他人目線」で追ってみることが貴重な時間。
じっと家にいただけでは、本当の意味で他人目線を作ることは難しい。
5分自宅周りと玄関を見つめる、ただそれだけでもいい。
この5分は、重ねて続けて欲しい5分。
他人の家と比較する必要はない。
他人目線をしてみようと努力していくと、近隣の素敵なお宅が気になってくる。
玄関前の小さな植栽から手をかけているような、小さなお宅がきっとあるはず。
ガーデニングに力を入れているとか、そういう話ではない。
小さいながらも、その住人の手が行き渡っているようなクリアな空気感のあるお宅。
そういう風に管理できる人は、どんな大きな空間を与えられてもそうできるのだろう。
裏路地の店だから繁盛しないと文句ばかり言っている人は、たとえ表通りに大きな店を構えたとしても成功しない、という話と同じだ。
今の住まいにいろいろ不満が多いかもしれない。
では、現状にベストを尽くした結果が「不満」なのか?と問われたらどうだろう。
家が狭い、収納が少ない、、等々。
片付かない理由を「家のせい」にしてないだろうか?
片付かない理由は、本当は別の理由があるのでは?
わずか5分、自宅を他人目線で見てみると、気づくこと見つけられることがきっとある。
そこに今まで目が向かなかった理由を考えながら、数日間他人目線を続けてみる。
5分で理想の住まいを想像する必要はない。
今の住まいから目を反らさない「自分」を見つけよう。
明日からは9月。
秋の片付けは、体力を使ってみよう。
今日までは、心と向きあう。
向き合ったことの成果は秋以降。
だから、今日は我慢して「他人目線」
ぜひ、厳しい他人目線でチェックしてほしい。
夏の5分片付け、お付き合い頂きありがとう。